【アニメ】話数単位で選ぶアニメえびてん10話選

皆様お久しぶりです。気が向いた時にだけ現れる磯貝です。

まずはこの10話選を行う前に、えびてん公式サイトの消滅があったことをお知らせしておきます。サイト消滅の悲しみはtwitterで言い尽くしたうえにここでも語るとしつこいと思うので省きますが、公式サイトのあらすじ説明とキャプチャは資料的価値もあり、この記事にも引用を検討していただけにショックです。ただ、1年越しにこの10話選に踏み切らせた一つのきっかけであることを考えると因果なものであるな、と少し不思議な気持ちにもなります。


では早速、10話選の選定基準を発表します。

1.本放送版えびてん本編(全10話)の中からランキング形式で選定
2.作品性質上EDが毎回異なるためその点も評価基準に入れる場合があります。
3.本人の感じた主観のみでほぼ構成されています。

といったところです。10話しかないのでランキング外はありません。
OVAもございますが特殊な作品でありますので今回のランキングからは外しております。視聴難度も高いので。



では発表していきます。



10位
第七話【ビバ天】
脚本:柿原優子
絵コンテ:岡本英樹
演出:清水一伸
総作画監督:渡辺敦子
作画監督:宮田留美・Heo Gi Dong

本作のうち唯一星が関係ないけいおん!のパロディ回である。と同時にイカ天という実在の番組の名前も意識している。覚醒野矢登場の重要な回であるが、あえて野矢と金森を引き合わせたり金平糖(抑制剤)を予め飲んだりと戸田山の周到さが光る。一周目を終えてから見ると発見が多い。「えびてんはエロゲでもラノベでもない」の名メタゼリフを生み出したり、大森先生が郵便受けに弁当食わせる衝撃の光景を見せられたりなど、ネタ的にも豊富。


9位
第八話【天悶スペシャル 果てしなきフェロモン】
脚本:山口宏
絵コンテ:木村真一郎
演出:木村真一郎
総作画監督:松本昌子
作画監督:樋口博美

MMRパロディということもあって続く9話とともにネタばらしを数多く含む。また、すかぢ氏が原作のPCゲーム『素晴らしき日々 不連続存在』を知っていると支配者フェロモンにはニヤリとできるようになっている。というよりこのアニメえびてん自体が素晴らしき日々…もとい『終ノ空』に対しての一つのアンサーでもある。原作者ほぼノータッチでこの仕上がりとは全編通してホンの出来にはただ恐れ入るばかりだ。戸田山響子のパンツが唯一見える回としては非常に貴重。



8位
第六話【ホシを狙え!愛を夢見る少女】
脚本:山口宏
絵コンテ:今泉賢一
演出:清高島大輔
総作画監督:サトウミチオ・山川宏治渡辺敦子
作画監督:飯飼一幸

伊勢田会長と大庭副部長によるサブストーリー的な挿話でありながら、ラストへの重要な伏線を含んでいることもあり見所は多い。いわゆるちょっといい話である。シャイダーのパロディは世代ではないので不明ですがたぶん再現度高いです。


7位
第五話【ここが奇跡の天悶部!メイドが舞い降りた!】
脚本:柿原優子
絵コンテ:殿勝秀樹
演出:阿部雅司
総作画監督:谷拓也・渡辺敦子・松本昌子
作画監督:谷拓也・松本昌子・横田拓己・古川英樹

北斗の拳パロディということもあり血筋と兄弟の戦いに主眼を置いた回。大きな進展はないものの野矢と泉子がようやく元の(?)関係に戻る。主従関係にありながら力関係は真逆の2人、その秘密とは。レイズナーパロのあとにやるのがなんともニクいと思いますw


6位
第三話【金平糖より愛をこめて】
脚本:柿原優子
絵コンテ:木村真一郎
演出:木村真一郎
総作画監督:渡辺敦子・松本昌子
作画監督:樋口博美

舞台を彩る役者がほぼ揃う回。謎の学校裏遊園地も登場。ウルトラマンパロディということで大道具も派手である。過去の響子は望んでマッドサイエンティストを演じざるをえなかった。そのことには理由があるのがだが…。天悶の外敵としての泉子の存在は、普通のゆるいアニメとは一線を画す点であるので、彼女が現れたこの回から作品の雰囲気が確立されている。それにしても泉子はやく野矢に気づけw


5位
第四話【刻印2012】
脚本:柿原優子
絵コンテ:岡本英樹
演出:中山敦史
総作画監督:サトウミチオ・山川宏治渡辺敦子
作画監督:鈴木美音織

「君の血の半分は戸田山の血だ」
「さっさと適当な人間を連れてきて犯人を仕立てあげちまおう」
ここでもやはり、血筋と役割、なのである。役割を求める天悶部には格好の題材がこの回の事件。レイズナーのパロディが非常にインパクトが強いが、各キャラの動きからスタンスが良く見えてくるのでえびてん本編としても評価されるべき回である。この方向性をもう少し伸長させたのがノベル作品の「えびてん綺譚奇譚」なのでご興味があればそちらも一読いただきたい。



4位
第二話【泣き虫はかたの華麗なる変身】
脚本:柿原優子
絵コンテ:高橋享
演出:仁昌寺義人
総作画監督:渡辺敦子
作画監督:山本周平・横田拓己

演劇のモチーフはセーラームーン、行われることは役割の認識と確定。また最重要ワードの呼び声も高い[ホクレアの導き]が登場する回。「どんな星にも意味がある。金森が天悶々部にいることにもちゃんとした意味がある」これは本作を表す上で非常に端的なワードである。作画面で最も人物の芝居が細かい回でもある。にしても最終回で文化祭をクリスマス時期に行ったり、この回でも無意味にサンタコスプレをさせられたり何かとクリスマスに縁のあるアニメである。


3位
第一話【よみがえれ!天悶伝説】
脚本:柿原優子
絵コンテ:岡本英樹
演出:岡本英樹
総作画監督:渡辺敦子
作画監督:谷拓也

我々はえびてんと出会った。それは星の導きである。これからこの演劇を行う上での演者たちの紹介であり、聖闘士星矢を模した劇を演じることで得られる二重性は物語の中でももっとも濃い本質性がある。このえびてんというアニメキャラが自覚的に演じ、演じることが自信をアニメキャラたらしめる二重倒錯をこの時点でものにしているという意味で、である。EDが「地球にI love you」なのは本作の最終作が「愛はブーメラン」であることに呼応している。(双方とも歌詞にI love youがある)



2位
第十話【ビューティフルドリーマーズ】
脚本:柿原優子
絵コンテ:岡本英樹
演出:中山敦史
総作画監督:山川宏治渡辺敦子
作画監督:鈴木美音織

コンパクトにまとまったアニメにはコンパクトな最終回が似合う。この回もうる星やつらのパロディ要素が大変話題になったが、その実本編要素を見事に集約しきっているともいえる。泉子と野矢の馴れ初めと、彼女らの行く末を見つめた戸田山による『永遠に続く日常の否定』がなされる。えびてんは演者の物語であるが、泉子と野矢の関係性は二人のあいだで成り立つ血筋やポジションの問題を超越したもので、演者たちによる10話分の『茶番』をやはり否定する存在でもある。主従の逆転したメイドと主人。その関係性は彼女ら固有のものでありそれを築いたのは本当の相互理解である。そのことに戸田山は気付いたのである。部分否定された茶番へのフォローアップは番外編OVAで保管されることとなる。


1位
第九話【天悶部大勝利!明日に向かってレディーゴー!】
脚本:柿原優子
絵コンテ:ら高橋享
演出:清水一伸
総作画監督:渡辺敦子
作画監督:宮田留美・Heo Gi Dong

物語の一応の大きな節目。前回より続いたドラゴンボールパロディによる雑な伊勢田会長の死、最後の変身、そしてバラ園の老婆の正体、エイジの乱入と彼の正体。バラバラのはずの要素がひとつとなるところは圧巻。演者たちはそれぞれの役割に徹し、この場に役割のない覚醒野矢はその姿を消す。何と言っても、ドラゴンボールパロと畳み掛けるギャグの相性が良い。いろいろテーマはあるが基本楽しいのがえびてん。そんならしさがよく出た回です。
「B級作品でも、努力すればエリート作品を超えられるかもよ?」
そう、全ては自覚のうえで。





いかがでしたでしょうか。ここでは書ききれない内容や、紹介にキャプ画を要するものは省いております。実質えびてん紹介記事ですが、この作品の良さを知ってもらうのに、今やアニメブロガー界隈ではお約束となった年末の十話選に便乗するのが一番かな、と思いました。記事の完成度より『このアニメを見て欲しい』という気持ちが伝われば幸いです。ここはホクレアに騙されたと思って、年末年始の夜長にえびてん、いかがでしょうか??



※過去記事
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