【アニメ】2012年作品アニメOP10選

ヨルムンガンド 『Border Land』


地平線や水平線を臨むカットに立つココとヨナの視線は常に交わらない。(最初のタイトルカット前のところはもちろん、サビでもヨナが画面奥の水平線を眺めているカットの次に、ロケットが飛ぶのを背後に不気味な笑みを浮かべるココの姿がある。)
けして動きが派手なわけでもないが、曲のよさも間違いなくあるだろう。当初I'veをそれなりに追いかけている人間からして、川田まみがガンアクションもののアニメのOPを担当するのはMELLとカチ合ってしまうのではないかという懸念があったが杞憂だった。綺麗な中沢さんだ。

画面も情勢も引っ掻き回して、最後は画面奥に消えていくココ達が小気味よい。



ガンダムAGE 『REAL』

大張正巳、という人物をご存知の方ならば、このOPの「テンプレ感」にはちょっと笑みがこぼれるはず。
ただ、その「テンプレ感」を、大張作品の歴史と同じく連綿と続くガンダムシリーズで見られるということが、限りない異化効果を発揮している。交わりそうで交わらなかった2つの交差点である。
とまぁ、こういうのであれば2クール目のOPを推すのが筋なのかもしれないが、コンテを含めてこその大張節であると、このOP3で思い知った次第なのでこちらを挙げておく。

それにしてもかっこいい。



織田信奈の野望 『Link』

サビのアクションのキレ。これが際立って良い。

ところで勝家の鎧はおっぱい揺れに対応して伸縮しているようだがどういう素材なんだ…(困惑)




じょしらく 『お後がよろしくって…よ!』

見た瞬間「あかん」と思った。水着のところの一枚絵が巧くてかわいくて死んだ。将賀さんの絵は個人的にはナナメ45度からの横顔が好きです。
こんなに純粋にOPを楽しんだのはいつ以来だろう、と思ったけど、そもそもOPってどれ見ても楽しいんだよねー。とかほんわかした気持ちにさせられた。水島節の手中に収められてしまった。不覚。

テンポが大変よろしい。




あの夏で待ってる 『sign

今年一番の「OPがすっごく良かったので本編もすっごく面白かったんじゃないかと錯覚するアニメ」として自分の中で絶大な存在感を放つこの作品。
フィルムっぽいフィルターとか、本当にJCの撮影技術は留まるところを知りませんね。
サビ以降の自主撮影の合間を縫うカットの連続は、まったくといっていいほど普通の日常の延長ばかりであるが、結局このテの青春は過程が大事だというのは真理めいている。ファインダーに写らない瞬間の他キャラの動きまで、つい想像してしまう。

最初のカットは、最終話まで見てようやく意味を成すカットなのですが、このイチカさん制服着ているので、実はただのイメージフィルムだったり。良き日の思い出とは常に良きものに置き換わっていくのかもしれませんね。



夏色キセキ 『Non Stop Road

上記のOPとはまた異なる切り取り方をした「なつのおもいで」
繋いでいくということがひとつのモチーフになっていた夏色キセキではありますが、このOPもその法則に則ってますが、最初の4人のカットのつなぎはかなりこだわってますね。
4人が合流するまでの鮮やかさと、最後の4人で円を描くところとか、すごく幸せなフィルム。

しかしこう「なつのおもいで」は根底のテーマは異なれど、部分部分でやはり被ってしまうものなのですねぇw



○Robotics;Notes 『純情スペクトラ』

滑走路のカット、アスファルトに描かれたラインが世界線を示しており、このカットだけで科学シリーズOPとしての合格点をクリアーしている。
そしてブーンドゥドゥするアキちゃん、ハンガーでギャーギャー言うアキちゃん。かわいい。
アニメの中のアニメと、アニメそのものが繋がるガンヴァレルの一連のシーンは、アニメと視聴者の関係をそのまま投影しているようで、「居ル夫」といい、このアニメはレイヤー的な構造をたくさん孕んでいるという部分が見て取れる。

来年くらいにはガンヴァレルのアクションフィギア出ないかなぁ。



アクセルワールド 『Burst the Gravity

羽の舞う暗闇から黒雪姫が見上げるのはシルバークロウとシアンパイルの背中。1話で見下ろすように現れた黒雪姫のアバターの位置を超えていったハルユキ君のその背中は、素直に成長物語を描いてきたからこその到達点である(タクについてもそれはいえると思うので、ここに二人は並び立っている)

アニプレッション様の記事が記憶に新しいが、本当にOPのコンテは「魔法騎士レイアース」をはじめとしたロボットアニメや過去のサンライズアニメを模したものばかり。サンライズは本当に自社パロが好きな会社である。
シルバークロウの必殺技にしても、阿部望さんは本当に仕事量・技量ともに半端ではないと思わされる。今一番好きなアニメーターさんかもしれない。



○えびてん 『未来色の約束』

「一番星の下で約束する事案が発生」というふるふろ氏のツイートで腹筋が捩れたのでここにノミネートしたw
端的に言って最初やサビはハルヒのOPパロである。つまるところ最初のカットはハルヒでありエスカフローネでもあるということになる。

しかし面白いのが、皆が「演じること」にテーマの主眼がある中、このOPでは廣松や金森は誰にも気づかれていないところを戸田山に目撃されており、その戸田山でさえも普段の大暴走とはすこし異なるやれやれ顔が多い。このように限りなく演者の素に近い部分を垣間見ることができるような設計になっている。



劇場版魔法少女まどか☆マギカ 『ルミナス』

正直入れようかどうか迷ったが、これだけは本当にどうしてもはずせなかった。
見てきたものより前のもの(幼い日のまどか)を見せられるということそのものが涙腺を破壊しにかかってくる。円を描きながら動くモチーフ(イントロで降ってくる光輪。桜の下のカメラの動きや、魔法少女5人が回転しながらカメラに接近するあたり)がいやでも「円環の理」を想像させる。彼女らのその後の過酷さを知るからこそ「桜(=血を吸って赤みが増す)」という花の意味を知ることもまたできるという。
ここまで見てきた視聴者へのご褒美であり、これのために前後編合わせて5回映画館に足を運んだものであるが、いい加減ソフト化しないことには収まりがつかない。それだけ、本当に良いOPでした。